回路を原理原則で考えよう!(その2)

みなさんこんにちは。テクノシェルパ技術コンサルタントの森です。

前回のブログ【回路を原理原則で考えよう!(その1)】に続いて、オームの法則に着目して回路を考えてみたいと思います。

今回は図3の回路について考えてみましょう。図3の回路は前回のブログの図1と同じ回路ですが、SWがOFFになっている点が異なります。

さて、ここでみなさんに質問です。OFFしたSWの両端の電圧Vbcは何Vになるでしょうか?次から選んでください。

ア.ゼロボルト
イ.不定(電圧は定まらない)
ウ.5 V

みなさんいかがでしょう?正解はウの5 Vなんです。しかし、なぜウが正解なのでしょうか?その理由を一緒に考えてみましょう。

SWがOFFになることであきらかなのは、電流Iが流れないこと。つまりゼロアンペアだということです。ここで電流Iがゼロアンペアでも、あえてオームの法則を考えてみましょう。考えるのは、難しそうなSWについてではなく、抵抗R1についてです。

抵抗R1の両端の電圧Vabは、オームの法則から、

$$V_{ab}=IR_1$$

 で求められます。いま電流Iがゼロですので、

$$V_{ab}=0[A]・100[Ω]$$

が求まります。V1VabVbcの和ですから、

$$V_1=V_{ab}+V_{bc}$$

です。ここでV1は5 V、Vabは0 Vなので、

$$5[V]=0[V]+V_{bc}$$

よって、

$$V_{bc}=5[V]$$

従って、SWがOFFのときのSW両端の電圧Vbcは5 Vであるということが証明されました。

みなさん、いかがでしたでしょうか?SWがONのときは、オームの法則で考えることができた人も、SWがOFFのときには、電流が流れないという現象だけに意識が向いてしまい、混乱された方も多かったのではないかと思います。オームの法則というのは回路の基本法則ですが、法則をきちんと理解していないと適切に使うことができず、混乱してしまうのです。

今回は最も基本的なオームの法則を例にとり、原理原則に基づき回路を読み解くコツをご紹介しました。

次回は、回路を考える上で「公式依存の落とし穴にはまらないない」ためのコツについてご紹介したいと思います。

テクノシェルパの技術講座では、原理原則に基づく徹底した基礎学習を行ってもらう教育メソッドを、講座の随所に盛り込んでいます。

 

<ここがポイント!>

 原理原則に基づいてオームの法則を理解するとは、単に公式を変形して電流や抵抗を求めることができるということではなく、
  「電流が流れると抵抗には必ず電圧が発生する」
ということや、
  「抵抗に電圧を加えると必ず電流が流れる」
ということを踏まえて回路を見ることができるようになるということです。

 図3の回路は最も簡単な抵抗1個の回路でしたが、複数の回路素子が組み合わさった実際の回路では、回路の動作中に変化する電流を直接測るのは難しいことが多いです。理由は、電流を測定するためには、測定箇所に直列に電流計を接続しなければならず、基板上の部品配置や多層基板の内層配線であったりするためです。
 このようなときに、その配線箇所に抵抗値が判明している抵抗があれば、抵抗両端の電圧をオシロスコープや電圧計で測定することによって、オームの法則に基づいて電流を測ることができます。(知っておくと便利です。)

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