

重機やフォークリフトなど搬送車の自動運転では、高精度位置測位技術が必要不可欠です。テクノシェルパは移動体の位置測位技術で長年培ったノウハウがあり、これら技術課題をコンサルサービスでサポートさせていただきます。
屋内では位置を定義した座標から、どの方向にどれだけ移動したかによって位置を測位します。
これを「相対位置測位」と呼びます。
【相対位置検知イメージ】
この「相対位置測位」では、移動量に応じて、累積誤差が蓄積してしまい正確な位置が測位できません。この累積誤差を補正する必要があります。
相対位置測位で累積誤差を補正するために、絶対位置を定義したサインポストを設け、屋内移動体がそのサインポストを、検出することで、累積誤差を補正することができます。
Bluetooth Low Energy (BLE)などの電波発信機をサインポストに設け、移動体側に取り付けた受信機で、電波強度を測定することで、サインポストを検出するなどの方法がこれまで考えられてきました。
このようにカメラによるサインポスト検出技術と相対位置測位技術を組み合わせることで屋内移動体の高精度位置測位を実現します。
【特長】
カメラではこのようなマーカを検出します。
マーカには識別情報(ID)が割り付けられており、このIDに相当する位置座標に、カメラとマーカ間の方位、距離情報を加えた位置に補正されます。
自律航法処理ボードは、ジャイロセンサ及び、車速情報取り込み機能を有しているため相対位置測位ができます。
マーカから水平距離で2m離れた位置を屋内位置測位のデモ機で横切ります。
測定点 : 左端限界 | 測定点 : 中央 | 測定点 : 右端限界 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
測定軸 | X(cm) | Y(cm) | X(cm) | Y(cm) | X(cm) | Y(cm) |
実測値 | -160 | 200 | 0 | 200 | 144 | 200 |
測距値 | -157 | 204 | 2 | 202 | 144 | 207 |
誤差 | +3 | +4 | +2 | +2 | 0 | +7 |
測定点 : 左端限界 | ||
---|---|---|
測定軸 | X(cm) | Y(cm) |
実測値 | -160 | 200 |
測距値 | -157 | 204 |
誤差 | +3 | +4 |
測定点 : 中央 | ||
---|---|---|
測定軸 | X(cm) | Y(cm) |
実測値 | 0 | 200 |
測距値 | 2 | 202 |
誤差 | +2 | +2 |
測定点 : 右端限界 | ||
---|---|---|
測定軸 | X(cm) | Y(cm) |
実測値 | 144 | 200 |
測距値 | 144 | 207 |
誤差 | 0 | +7 |
マーカから2m離れた場所での測定結果
左端限界、右端界限は測距可能な範囲
2m程度の距離の場合、中央部で±2cmの屋内位置測位精度
※一般的な倉庫内の通路幅は約3m
サインポストに対してカメラ位置を2m付近となるように走行させた際の屋内位置測位結果です。
X距離が0となる地点が、マーカ中心を横切った際の屋内位置測位結果です。
この時、Y距離は2mを示しており、屋内位置測位誤差が0となっております。
移動体側に取り付けた測距レーザーで、サインポスト側に設けたパッシブプレートを検出することで位置を補正する方式です。
測距レーザーによるサインポスト検出技術と相対位置測位技術を組み合わせることで屋内移動体の高精度位置測位を実現します。
測距レーザーによる屋内位置測位の原理検証は、汎用機器の組み合わせで実施しております。
【屋内位置測位 測距レーザー側の機器構成】
AD変換ボードの出力をPCで取り込み
サインポストに設けるプレートは2種類用意し確認しております。
【プレート1】穴をあけ立体的な形状とした場合
【プレート2】反射率の異なる素材を張り付けた場合
壁や柱のない屋内位置測位で自立航法の課題となる累積誤差について、磁気センサによる補正方式をご提案いたします。磁気センサによるサインポスト検出技術と相対位置測位技術を組み合わせることで屋内移動体の高精度位置測位を実現します。
屋内移動体の運用環境に応じ、カメラ方式、測距レーザー方式および磁気センサ方式の中から最適な屋内位置測位方式についてご提案いたします。必要に応じこれら屋内位置測位方式の組み合わせによるご提案も可能です。
屋内位置測位システムは、物流の効率化や農機、建機の自動化など、さまざまな業種でご利用いただくことができ、大幅な事業効率の改善が見込めます。
搬送車(フォークリフト、AGV※)に搭載することで、屋内倉庫内のどこに物品があるのか、リアルタイムに監視することが可能です。
※AGV Automatic Guided Vehicleの略称無人搬送車
農機(トラクター、農薬散布車)や建機、重機(ロードローラー、 ブルドーザー、ショベルカー)に屋内位置測位システムを搭載し、アクチュエータ制御部と組み合わせることで、農作業や道路整備、建設作業の自動化に応用できます。
屋内位置測位システムを導入していただくにあたって、お客様の使用環境に即したチューニングやハードウェアのカスタマイズをサポートいたします。