ノイズ対策の基本的な考え方(2)
テクノシェルパ技術コンサルタントの原田です。
前回のブログから引き続き、ノイズを抑制する4つの手法、
1. シールディング
2. ワイヤリング
3. グラウンディング
4. フィルタリング
のうち、残るグラウンディングとフィルタリングについて説明したいと思います。
<グラウンディング>
グラウンディングは難度が高いものになります。これをやれば効果が上がると言える万能薬的なものがなく、状況に応じて個々に対策を考えなければなりません。
原理的にはグラウンド(GND)の不完全さがエミッションに影響していると考えられることから、一般的に「こうすれば良い」と言われているものとして、次のようなものがあげられます。
- 信号グラウンド(SG:Signal Ground)を筐体グラウンド(FG:Frame Ground)に接続する
- グラウンドや電源プレーンの面積を広くする
- 基板上のスロットをなくす / スロットをまたぐ配線パターンに対策を施す
- 電源プレーンとGNDプレーンをバイパスコンデンサで接続する(多点接続が有利)
- 複雑な要素(グラウンド内の電流分布、配線パターン、スロット、導体プレーン共振、アースの位置、EMIフィルタの使い方、Viaホールの帰路など)の相互作用を考慮する
しかし、これらの手法が逆効果になる場合もあるので場合に応じて対策することが必要になります。
<フィルタリング>
EMIフィルタによりノイズの伝搬を防ぐ方法です。機能的に以下の3つに分類されます。
- 迂回(コンデンサCによってノイズ電流をGNDに還流)
- 阻止(インダクタLによってノイズ電流を閉じ込め)
- 吸収(抵抗成分Rによりノイズ電流を熱に変える。迂回、阻止の付加的な機能)
これらの代表的なものを下表に示します。基本的な素子単体やこれらを組み合わせた場合の特性、EMIフィルタの評価指標と実際の効果などについては、EMIフィルタってノイズ対策にどれだけ効くの? (1)、EMIフィルタってノイズ対策にどれだけ効くの? (2)、をご確認ください。
当社にはiNARTE認定のEMCエンジニア、経験豊富なEMC対策・評価のプロフェッショナルがおります。皆様のお困りごとの解決に是非、EMC対策コンサルサービスをご利用ください。
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