スミスチャートとは? ~きちんと知ると便利です~(その3)

みなさん こんにちは。テクノシェルパ技術コンサルタントの河野です。

前回のブログ・スミスチャートとは? ~きちんと知ると便利です~(その2)では、スミスチャート上およびアドミッタンスチャート上で抵抗、コンデンサ、コイルを使って、インピーダンスおよびアドミッタンスを動かすことをご説明いたしました。
今回はその応用例として、イミッタンスチャート上で、あるインピーダンスを所望のインピーダンスへ移動してみましょう。

今回の事例では、1=25+j50 (Y1=0.08-j0.016)(図中のの点)をZ2=50+j0 (Y2=0.02+j0)(図中のの点)へ移動させてみます。

また、想定周波数を1 GHzとし、二つのコンデンサまたはコイルを使って移動させます。

二つの部品で移動させる場合、何通りもの軌跡が考えられます。以下に4つの軌跡の事例を記載します。

【軌跡Ⅰ】

まず直列のCで等抵抗円上を反時計回りに動きます。Z1からZ3への移動はリアクタンス+1.0jから+0.5jへ移動しています。

つまり C=6.4 pF を直列に装荷することによりZ1からZ3へ移動します。

その後並列ので等コンダクタンス円上を時計回りに動きます。Z3からZ2への移動はサセプタンス-1.0jから0jへ移動しています。

つまり C=3.2 pFを並列に装荷することによりZ3からZ2へ移動します。

【軌跡Ⅱ】

まず並列のC(1.0 pF)で等コンダクタンス円上を時計回りに動きます。その後直列のC(2.5 pF)で等抵抗円上を反時計回りに動きます。こうしてZ1からZ2へ移動します。

【軌跡Ⅲ】

まず直列のC(2.1 pF)で等抵抗円上を反時計回りに動きます。その後並列のL(8.0 nH)で等コンダクタンス円上を反時計回りに動きます。こうしてZ1からZ2へ移動します。

【軌跡Ⅳ】

まず並列のC(4.1 pF)で等コンダクタンス円上を時計回りに動きます。その後直列のL(10 nH)で等抵抗円上を時計回りに動きます。こうしてZ1からZ2へ移動します。

このようにイミッタンスチャート上では、インピーダンスをいろんな軌跡をたどって移動させることができます。ただし、高周波の場合、抵抗を使ってインピーダンスを移動させると、通常は損失となるので、抵抗を使わないでインピーダンスを移動させることが普通です。

三回に亘るスミスチャートのご説明を行いましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

テクノシェルパの技術教育サービスでは、今後高周波の技術講座のリリースも予定しておりますので、この講座を通じて皆様にもぜひスミスチャートを使っていただき、その便利さを実感していただきたいと思います。

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